競技ヨーヨー

3月8日のNHKローカルニュースで取り上げられた話題です。何気なく見ていて、見事な技に驚きました。ヨーヨーが競技になっていることも知らなかった者としては、その技に驚くばかりです。

新潟薬科大学在学の柏谷悠太さん(19)歳が競技ヨーヨーの全日本王者になり、世界大会出場が決まったというニュースでした。音楽に乗せて技を繰り出すのですが、その音楽が「GASSHOW」という曲で、東日本大震災をテーマにしたものだそうです。アップテンポで鎮魂歌というイメージではないのですが、身体全体を使って曲の壮大さを感じさせる見事な演技でした。最後に両手を合わせ「合掌」のポーズをとって演技を締めくくっています。動画が始まって1分後から演技が流れます。

今週木曜日が3月11日、あの日から10年になります。金曜日でした。3月とは言え、雪が降る寒い日で、空は鉛色をしていたことを覚えています。尋常ではない大きな揺れに、当時自宅療養中の先代住職の部屋に駆け付け、介護ベッドの柵をしっかりと押さえていました。テレビの大画面に映る、信じられない光景を言葉もなく先代と二人で見つめていました。その夜、凍える寒さの中外に出て空を見上げると、強い風に雲が流され、星が瞬いていました。東北で被災されていた方々が無事であってくれと、空を見上げて祈っていました。

10年がたち、過疎だった地域はさらに過疎に、原発事故も終息の見通しさえたたず厳しい状況が続いています。テレビでは各局が、10年が区切りだというスタンスで先週末から番組を作っています。しかし、区切りとはいえ、そこで何か変わるのでしょうか。区切るとかではなく、この柏谷君のように、自分が発信できるいろいろな形で、震災が区切りとかではなく、まだその苦しみの只中に多くの方々がいることを忘れてはいけないと感じました。その事をこの若い、ヨーヨーを見事に操る19歳の青年に教えて貰えたことが嬉しく、動画をご紹介しました。