豪雪地 津南

雪国の新潟県でも豪雪地と言えば、津南町が真っ先に思い浮かびます。すぐ隣が長野県です。津南町に住職の知り合いが住んでおり、毎年6月頃になると、泊まり込みで出張して、極楽寺の本堂から庫裏までガラス窓というガラス窓をすべてピカピカに清掃してもらっています。寺のメンバーでやっていたこともありましたが、窓までが高く、二階などは危険なため、10年以上清掃の専門家(風巻さん)にお願いしています。

その津南から雪の便りが来ました。メールのタイトルは、「道路の雪庇落とし作業完了」です。雪の壁が道路にせり出し危険なため、住人はこうやって交通を確保しています。風巻さんの身長は170センチくらいですから、隣の雪の壁は3メートルくらいはありそうです。今年は大雪で、最高では4メートル近くまで積もったようです。

津南がニュースになるたびに、「おーい、生きてるか―」と電話して、苦労をねぎらっています。雪下ろしは何回目だ、なんて申し訳なくて聞けません。三条が雪国だなんて、この風景を見ると口にできないほどですね。このくらいの雪になると、雪下ろしではなく、下ろした雪を家の周りから排除する「雪堀り」の状態になります。まず、家の周りの雪を片付け(片付けるのも大変な労力を要します)、屋根から雪を下ろし、また片付ける。その繰り返しです。昨夜下ろした雪が、朝になってそっくり同じ高さに積もっている、と言う事はよくあるようです。そのご苦労、いかばかりかと思いやる事しかできません。

立春が過ぎて、日中の時間がだんだん長くなり、春が近い事を感じます。「雪どけ」とはなんて暖かい言葉でしょう。ただ、津南程になると、雪どけは雪崩のシーズンになります。大きな災害がなく無事に春を迎えることができるよう、これ以上降らないように祈るばかりです。

豪雪地津南から届く、お米や野菜は本当においしく、夏のトウモロコシやトマトなどは絶品です。この雪があるからこその恵みだと、有難くいただいています。また雪下人参も名産です。この雪の下でしっかりと甘みを蓄え、春になると出荷されます。

皆様も、津南や十日町の物産を見かけたときは、この雪の風景を思い浮かべ、是非手に取って頂ければ幸いです。